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2016-02-07 [研修報告]

「それやるのがヤクザだろうがよ」

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アウトレイジ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD



今さらながらアウトレイジについて。
「北野武による、ドライなヤクザ世界を描いた~」というレビューをよく目にする。
確かに、北野監督の作品には、いわゆる「ヤクザ」が数多く登場する。
「ソナチネ」「BROTHER」「キッズ・リターン」など。
そして、そのいずれもが乾いた暴力をもって描かれている。

そこで「アウトレイジ」である。
冒頭の言葉は、大友(北野武)組のシマ(厳密にいうとちょっと異なるが「縄張り」ともいう)
のカジノに立ち寄って金員をせびる親分である池元組組長(國村隼)が、子分である大友に
そのことをやんわりと諫言された際に発したもの。「ヤクザが入り浸っては、他の客が
怖がって寄り付かない」という大友の苦言に対しての、池元の言葉。
この言葉にこそ、現在のヤクザのあり方が集約されていると思う。
すなわち、「どんな事をしてもかまわないから、とにかく金を稼げ」と。

日本のヤクザは、海外でも「YAKUZA」として知られている。
その一方で、日本国内の報道ではヤクザという言葉を耳にすることはない。
代わりに用いられるのは「暴力団」である。
暴力団とは、(直接的・間接的な)暴力によって自己の利益を確保する集団をいう。
戦後、警察やマスコミによって作られた言葉だが、その名は既に定着している。
ヤクザという言葉には、かつての「義理と人情を重んじる」といったイメージがあり、
その存在を美化することにつながりかねないからである。

アウトレイジに登場するのは、徹頭徹尾「暴力団」だ。
薬物売買によって利益を得る村瀬組組長(石橋蓮司)、それに共存する池元、
それらの利権を取り込もうとする山王会関内会長(北村総一朗)。
いずれもがマキャヴェリズムによって、自己の利益のみを追求している。

そしてまた、本作は、悲劇的な喜劇でもある。
末端組織に属する大友は、上のいうがままに動き、にもかかわらず破滅への道をたどらされる。
その帰趨は、世界的な大企業の孫請会社の姿にもオーバーラップする。
本作は過激な暴力シーンでも有名だが、それもまた喜劇的だ。カッターナイフのシークエンス、
歯科医院でのシークエンス、そして大友組若頭の水野(椎名桔平)の最期のシークエンス。
いずれも痛々しいが、同時に、相当にブラックではあるものの、多分にコメディー的だ。
中華料理店でのシークエンスなど、まさにビートたけしのコントそのままだ。
戸川純的にいえば、「潜在的幼児性暴力癖」によるもの、といった感じだろうか。

話は冒頭に戻る。
現在社会には、高倉健映画に代表されるような「ヤクザ」は数少なく、そのほとんどは
暴力団なのではないか。利益を追求する組織という点においては、一般企業と変わらない。
ただ、暴力装置を持っているかいないかの違いしかない。
かつて中小企業に勤めていた僕は、大友に、中小企業の経営者のペーソスを感じた。
中小企業が生き残るのって、ほんと大変なんだから。
アウトレイジは、単なるヤクザ映画ではなく、「阿修羅のごとく」「渡る世間は鬼ばかり」
などと同様、人間が織り成す人生模様を描いた作品でもあると思う。

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あと、その筋の人たちと一緒に飲みに行くとライオンズマンション歌舞伎町の裏のスナックで
チンピラ同士が殴り合いになってそれを仲裁して殴られて救急車で戸山の国立国際医療研究
センターに搬送されたりするから要注意ですよ、コノヤロー!

灯台長「おい、針と糸、持ってこい」
水野「い、いやぁ・・・」
灯台長「縫合くらいしなきゃしょうがねぇだろ。左眼瞼上部裂傷だってよ(4針)」


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あゆりさま、書いたよー(笑)




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