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2016-08-31

僕の初恋は、秋の訪れとともに終わった。
「お互い、おる世界の違う」
それが彼女の最後の言葉だった。

同い年とはいえ、彼女はバリバリの現役ドヤンキー。
かたや僕は、筋金入りのへなちょこ。
そりゃ、違うよねー。

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ドライブおデートは、だいたい南関という隣町だった。
いや、町というか、村といったほうがいいような山あいの集落。
カーブがたくさんあったので、「攻めがいのあるけん」という彼女の希望でそうなった。

ドライブのときは、いつもBOØWYの『JUST A HERO』を聴いてた。
『DANCING IN THE PLEASURE LAND』の盛り上がりから始まる、超激名盤。
育ちも考えも全然違う二人の、唯一の共通点がBOØWYだった。

ドライブ中、色んな話をした。
彼女は、高校を卒業したら名古屋か大阪で就職するとのことだった。
家計を支えるために、一刻も早く自立したかったらしい。

「こーちゃんは東京の大学さん行くとやろ?したら、東京で頑張らんね」
いつも勝気だったその顔に、少し陰りがみえた。
そして彼女は、ハンドルを握りながらタバコをくわえ、しばし無言に。

カーステの音楽が、気まずい雰囲気を救う。
最後の会話では、アルバムのラストの曲、『WELCOME TO THE TWILIGHT』
が流れてた。



しかたないネ 幸せ気付かず 困らせてた
今度こそは ダーリン もうアレス・クラー 大丈夫サ

夏の終わり、秋の始まりの黄昏どきのこと。
彼女とは、それ以来、会うことはなかった。
僕の青春が、静かに終わった。

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「『アレスクラ』って、カッコよか名前よね。私も将来、子どもに(同じ名前を)付けるとやん」
アレス・クラー(Alles Klar)は、ドイツ語で「了解」って意味ですよとは、
当時知ってたとしても告げられなかったかなあ、怖くて。


あと、ちょっとイイ話風に振り返ってるけど、当時彼女、17歳&無免だからね。



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