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2017-03-09 [研修報告]

一昨年の今ごろ、『聖者たちの食卓』という映画を観た。

インドにあるシク教の総本山であるハリマンディル・サーヒブ(黄金寺院)では、
毎日10万食が巡礼者や旅行者のために無料で提供されている。
本作は、そこで送られる日々を描いたドキュメンタリー。

先に観たうぐいすビールのK子さんから勧められて、キネカ大森に足を運んだ。
上映時間は65分と、一般的な映画に比べると短いのだけれども、
その内容は実に密度の高いものだった。

食器を洗う人々、食材を調理する人々、そして食事をする圧倒的な数の人々。
それらの一連の光景が、特別な演出を加えられることなく、淡々と描かれている。
絢爛たる寺院の様相との対比が、「静かなる喧噪」を際立たせている。

インドといえば、今なおカーストによって厳格な身分制度が敷かれている国である。
しかし、この寺院では、人々は身分に関係なく、誰もが等しく食事をする。
老若男女、人種、宗教を超越した世界。もの食う人々の間に、一切の隔たりはない。

「食」は、人間が行い得る中で最も重要な行為である。
いささか牽強付会にすぎるかもしれないが、パリの三ツ星レストランのフレンチも、
この寺院の素朴な豆カレーも、本質的には等価であると僕は思う。

当時、僕は9年間勤めていた会社を短絡的に辞め、1年近くぷらぷらとしていた。
ともすると、日が高いうちから飲んだくれて、ろくな食事をしていなかった。
そのような生活を送っていた中で観た本作に、少なからず衝撃を受けた。

食べることは生きることであり、 生きることは食べることである。
かつて、ある食品会社のCMに「あなたは、あなたが食べたもので、できている。」
というフレーズがあった。けだし名言であろう。

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ちな、僕が一番好きな食べ物は、冷酒と塩むすび。
どこかのお寺さんで、無料で提供してくれないかなー。



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