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2011-06-20 [研修報告]

いま、「失敗の本質」という本を読み返している。
ノモンハン事件から太平洋戦争にかけての日本軍の主要な戦闘をケーススタディーとして、
「日本はなぜ負けたのか」ということについて分析した名著。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

  • 作者: 戸部 良一
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1991/08
  • メディア: 文庫

「作戦目的の二重性」「部隊編成の複雑性」「兵力の逐次投入」などの
戦術・戦略的な失敗に加えて、「過度な精神主義」「人間関係を過度に重視する情緒主義」
といった日本人の思考や情緒に根ざした問題についても言及している。

一般的に、日本人は真面目で努力型だと言われているが、その一方で
結構いいかげんな面もあると思う。
場当たり的、泥縄的、独善的。そうした側面が、特に軍の上層部に色濃くみられる。

戦後、とある元海軍参謀が「海軍は腰だめで戦争した」と述懐している。
「日本は、落としどころを決めないまま極めて大ざっぱに戦争を始めてしまい、
『なんとかなるだろう』と思っているうちに負けてしまった」というのが僕の見解だ。

ときに、今年の7月24日に地デジ化が完了するらしいが、僕の家のテレビはまだアナログだ。
このままだとテレビが視聴できなくなるのだけど、今も「なんとかなるだろう」と思っている。
悪い意味で、自分が日本人であることを実感する毎日です。



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2009-12-23 [研修報告]


やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫)

やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫)

  • 作者: 山口 瞳
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 文庫


「人生はとどのつまり賭や。わしは何もいわない。『・・・やってみなはれ』」

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開高健、山口瞳という、サントリー宣伝部出身の2人の作家による社史。
壽屋としての創業以来の歴史が、自身の会社生活の思い出を交えて描かれている。

小学生のころから、サントリーのCMには心惹かれるものがたくさんあった。
ローヤル(ランボオガウディ)、オールドトリスなどなど。
CMを見たいがために、土曜日の夕方は毎週料理天国を見てた
(サントリーの一社提供だったので)。

だから、サントリーといったら、スマートでクールで都会的な会社という
イメージが強かったけど、実際は少し事情が違っていたようだ。

例えば、当時サントリーのPR誌「洋酒天国」を作っていた東京支社については、
次のように描かれている。

寿屋の東京支店は蛎殻町の運河のほとりにあり、
二階建、モルタル張りの見るからにケチな家屋だった(中略)。
表から見たらどう逆立ちしても“サントリー”という横文字が連想できないし、
ガラス戸に“寿屋”とあると、てっきりどこかのフトン屋かと思いたくなる。


社内には大阪弁が飛び交う、まさに「浪花の商人(あきんど)」そのものの会社だ。
創成期のソニーやホンダのような、進取の気性に富み、活気あふれる職場の光景が目に浮かぶ。

お酒と、お酒に関する文化を愛する会社から、心に残る小説やCM、
そして何より美味しいお酒が生まれたんだと思う。

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ちなみに、あとがきに次のような一文があった。
「ある新商品のCMを、アートディレクターに横尾忠則、コピーライターに糸井重里、
音楽に坂本龍一、ディレクターに川崎徹と最高のスタッフでCMを作ったにもかかわらず、
商品力がなかったために、全く売れずに大失敗したこともあった」

僕はあの味好きだったけどなぁ。



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2009-08-08 [研修報告]


新版 東京漂流 (新潮文庫)

新版 東京漂流 (新潮文庫)

  • 作者: 藤原 新也
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1990/06
  • メディア: 文庫


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「人の喜怒哀楽が見えにくくなっていた。人の魂が見えにくくなっていた。
人の生も死も見えにくくなっていた」(「小さな黒魔術」)

高度経済成長期を境として「消費が美徳」という時代がはじまり、
生活の利便性は大きく向上した。
その一方で、「人間的なもの」は管理され、次第に隠蔽されていった。
隠蔽された「人間的なもの」は出口を失い、不自然に与圧され、
やがていびつな形で社会の中に突出してしまう。

1980年代という時代が、生と死をキーワードとして、
鋭く、硬質かつ端正な文章で鮮やかに解析されている。

そして、解析の過程で狂言回しとして登場する東京の情景にも強く惹かれた。
不感症を癒すための写真雑誌と、土砂降りの赤坂の街。
喧騒の中、いくつもの社会を乗せてぐるぐる回る山手線。
無機質で乾燥した芝浦の町に流れる運河。
どれも、僕が幼いころに思い描いていた東京そのものだ。

現在も、時代の暗部の肥大化は進んでいて、その突出は
頻度といびつさをさらに増しているように思われる。
それでも、夜中、豚が人知れず芝浦の道路を運ばれていくように、
隠蔽のシステムはずっと続いていくのだと思う。
システム自体が、その暗部に飲み込まれてしまうときまで。

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ちなみに先日、芝浦で超激美味しそうなホルモン屋を見つけた。
どなたか、一緒に行きまっしょい!



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